エクセルで割り算した「余り」を求める関数の紹介です。
数値の割り算をしたときの「余り」を求めるときはMOD関数を使います。ここではMOD関数の機能と使い方を紹介していきます。
MOD関数
数値の割り算をしたときの「余り」を求める関数です。
MOD関数の書き方
MOD関数では、割られる数の「数値」と、割る数の「除数」を指定します。
割られる数と、割る数を指定して、割り算をしたときの余りを求めることができます。
次は実際にMOD関数を使って、割り算の余りを求めてみます。
MOD関数の実際の使い方
下の図のようにMOD関数を使って、割り算の余りを求めてみます。この例では、「数値:割られる数」を15とし、「除数:割る数」を3としています。
「15÷3=5」と余りが出ないときは、MOD関数で求められる余りは「0」となります。
次に余りが出る割り算を、MOD関数で余りを求めてみます。例えば15÷4の余りを求めてみます。
この時「15÷4=3・・・余り3」と計算されるので、MOD関数で求めた余りは「3」となります。
もしも割る数に「0」を指定した場合、数を0で割ることは出来ないので、エラー値(#DIV/0!)が出ます。
今度は、マイナスの数が含まれる割り算では余りがどうなるかを確認してみます。マイナスの数が含まれるときは、少し計算が複雑になるので注意が必要です。
割られる数がマイナスになっている場合の例として、「-8÷3」の余りをMOD関数で求めてみます。
余りは「1」と求められました。この時、Excelでは下のように計算がされています。
-8÷3=-3・・・余り1
ここで注意が必要なのは、-8÷3=2・・・余り-2とはならないことです。「割られる数がマイナス」の時、MOD関数で求められる「余りはプラスの数」になるように計算がされます。
次は割る数がマイナスになっている場合を確認してみます。「8÷(-3)」の余りをMOD関数で求めると「-1」となりました。
割る数がマイナスの時、Excelでは下のように計算がされています。
8÷(-3)=-3・・・余り-1
ここでは、8÷(-3)=-2・・・余り2とはなりません。「割る数がマイナス」の時、MOD関数で求められる「余りもマイナスの数」になるように計算がされます。
マイナスの数が含まれる割り算の、余りの符号
割られる数がマイナスの時:余りはプラスの数
割る数がマイナスの時:余りはマイナスの数
なぜ、このような符号になるかは、MOD関数の計算では下のようなINT関数を使った計算と同じになっているからです。
MOD(A,B)=A-B×INT(A/B)
ここで出てくるINT関数は、小数点以下を切り捨てる関数です。
-
Excelで小数点以下を切り捨てるINT関数の使い方
エクセルで小数点以下を切り捨てる関数の紹介です。 小数点以下を切り捨てて整数にするにはINT関数を使います。ここではINT関数の機能と使い方を紹介していきます。 小数点以下を切り捨てる関数です INT ...
続きを見る
MOD関数では、余りを求める際にINT関数を使ったのと同じ計算がされるので、マイナスの数が含まれる割り算では、少し複雑な計算になっています。
INT関数による余りの計算内容を確認すると、下のようになります。
プラスの数の、余りの計算内容
例:15÷4の余りの計算
15-4×INT(15 / 4)
=15-4×INT(3.75)
=15-4×3
=15-12
=3・・・余りが「3」と求められます。
割られる数がマイナスの場合の、余りの計算内容
例:-8÷3の余りの計算
-8-3×INT(-8/3)
=-8-3×INT(-2.66・・・)
=-8-3×(-3)←INT関数では指定した「数値」より小さい整数に計算されます。
=-8+9
=1・・・余りが「1」と求められ、プラスの数になります。
割る数がマイナスの場合の、余りの計算内容
例:8÷(-3)
8-(-3)×INT(8/(-3))
=8-(-3)×INT(-2.66・・・)
=8-(-3)×(-3)
=8-9
=-1・・・余りが「-1」と求められ、マイナスの数になります。
割り算の余りを求めるときは、MOD関数が使えるのでぜひ活用してみて下さい。
マイナスの数を含む割り算では、余りの求め方が複雑になるので、その点だけ注意して活用すれば便利な関数です。
その他のExcelの操作・関数は、Excelの操作・関数の解説一覧から、気になる記事を確認してみてください。